今回は、有限会社盛田屋の鈴木 八千代 (すずき やちよ) さんにお話を伺いました。
前回に続き、手作りで天日塩やところてんを製造・販売する「盛田屋」の鈴木 八千代さんへのインタビュー。後編では、自慢のところてんについて、こだわりや魅力をお聞きしました。
コシが強い自慢のところてん
ところてんのこだわりを教えてください
西伊豆の八木沢海岸の天草を使って、ところてんを作っています。潮流の関係で、八木沢海岸で採れるものは質が良い。だから日本の入札でも一番高いの。
最高級の天草から作っているから、このところてんはすごいよ!弾力があってコシが強い。
天草は海外でも採れるけど、やっぱり日本のものは質が良い。もうだいぶ前だけど、韓国に行った時に天草があったので買ってみたんです。そしたら、いくら洗ってもキレイにならない。八木沢海岸の天草は汚れていても2、3回洗うとキレイになるの。天草が育つ環境は大事だなーと思いました。キレイな海で育てるといい子に育つんだなと(笑)。
ところてんは、どのように作るのでしょうか
最初に天草を3日間ぐらい水につけて洗って、2トンの釜で8時間ぐらい煮るの。そして、こすわけ。そうすると次の日に固まるんだけど、いろんな草をブレンドしないと、良いものができないし、今日は良くできたけど、次に作るときは硬かったとかだと困るじゃない。だから自然の物を原料にするのは難しい。
今の商品を作るまでには、いろんな試行錯誤がありました。
ご苦労されていることはありますか
地形的に駿河湾は恵まれているから、ところてんの原料の天草も質の良いのが採れる。だけど、今、温暖化で採れる量が少なくなっているんです。天草は地元の人に採ってもらっているんですけど、昔採っていた人はやめてしまい、若い人は少ないので、採る人が少なくなっているのも課題。
中国でお魚をたくさん食べるようにもなって捕獲量が増えているので、サンマやイカなども日本で獲れる量が減ってますね。
ところてんファンに愛される「知る人ぞ知る」ところてん
盛田屋さんのところてんファンが全国に広がっていそうですね
ところてんが好きな方は、うちのお店を探して食べにいらっしゃいます。「知る人ぞ知る」という感じですかね。店頭に食べられるスペースを設けています。
何杯か食べていく方もいますよ。ところてんが嫌いな人も、うちのところてんなら食べられると言われることも多いです。ところてんというと夏のイメージですが、冬の温かいところでアイスクリーム感覚で食べるところてんもおススメです。
ところてんはカロリーが少ないので、ダイエットしている方や糖尿がある人には良いですね。これで満腹感があるとおっしゃっていました。あと、食物繊維が多いから便秘の方には良いです。
お店でお客さんに人気の商品は
お塩やところてんが人気ですが、それ以外ですと、うちのお塩を使って作る「ところてんのタレ」が人気です。スープ屋さんにお願いしてレシピを渡して特注で製造してるんですけど、食べた方は「おいしい」と気に入ってくださって、料理に使うために買っていかれます。
先日も、長野の人かな。1リットルのタレを6本買っていきました。餃子のタレに使ってもいいし、冷しゃぶや冷やし中華にかけても良い。冬はお鍋のつゆにも使えますよ。
こだわりの味を多くの方へ
今後取り組みたいことなどはありますか
昔は、東京のデパートの催事などにもよく出店していたけど、最近はネット販売ができるようになり、ネット販売を通じて全国のお客様に商品を届けています。せっかく始めた「天日塩」や「ところてん」。これからもたくさんの皆様に届けていきたいですね。
インタビュー当日は夏休み期間で、おみやげに天日塩やところてんを買いにくるお客様が、次々といらしていました。お店でいただいたところてんは、磯の香りもして本当においしかったです。丁寧に想いを込めて商品を作られている気持ちが伝わってきて、温かい気持ちになりました。
■ 会社・店舗案内
有限会社盛田屋
西伊豆の駿河湾の近くで、原料や製法などにこだわり、太陽の熱と風の力だけでつくる「天日塩」や、コシの強さが特長の「ところてん」などを製造・販売しています。
〒410-3303 静岡県伊豆市八木沢1297
https://izu-moritaya.jp/
0558-99-0014