突然ですが、静岡ローカルなCMといえば何を思い浮かべるでしょう。パチンコ屋さんや、お弁当屋さんあたりが定番ですよね。
では、「ここまで来れるか?…」というフレーズを聞いて、ピンとくるCMはあるでしょうか?
これに即答できる方は、なかなかの静岡ツウ・伊豆ツウかもしれません。 今回の目的地は、公式から「最寄り駅から徒歩6時間。絶対に歩いてこないでください」と念を押される突き抜けたスポット。
それがこの、伊豆の秘境「ここまで来れるか?波勝崎モンキーベイ」
この挑戦は受けねばなるまい!ということで波勝崎モンキーベイ、訪問してきましたので報告させていただきます。もちろん電車と徒歩で……いや、すみません、今回は妥協に妥協を重ねて車を使ってしまいましたが、概ねその魅力はお伝えできると思います。
※波勝崎=”はがちざき”と読みます
遥かなる西伊豆エリアへ!
ひとことに「伊豆」といってもエリアごとに違った表情がありますが、首都圏方面からのアクセスを前提とするならば、最も遠いのがこの西伊豆エリア。
しかし、遠いからこそのメリットも。東伊豆のような激しい交通渋滞が比較的少なく、夕焼けに染まる海を眺めながら浸かる温泉は最高の贅沢です。天気が良ければ、駿河湾越しに富士山を望む風光明媚な絶景も堪能できてしまいます。
そんな西伊豆の中でも、まさに「端の端」に位置するのが今回の目的地・波勝崎。(実際には南伊豆町にあるので南伊豆エリアと言った方が正確かもしれませんが…伊豆の西海岸にあるということで、ご容赦を!)
波勝崎へ向かうためのルート、それもセンターラインがしっかりあって対向車とのすれ違いで緊張を強いられないものを抽出したところ、3つの候補が上がりました。

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ルート①: 伊豆縦貫道の月ヶ瀬ICから土肥温泉に出てから南下する
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ルート②: 下田の北側から山中を抜け、松崎に出てから南下する
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ルート③: 下田の海沿いから南伊豆をぐるっと回って北上する
土肥温泉にはちょくちょく行くのですが、その際にはいつもルート①を使っています。なのでこれは新しく開拓する価値はない。かといってルート③はかなりの遠回りになってしまう…ということで、今回はルート②を選択して波勝崎に向かうことに。

新道に感動!波勝崎へ向かう道中記
実はこのルート②を選んだのにはもう一つ理由が。伊豆縦貫道の一部を構成する「河津下田道路」が数年前に開通して以来、未だに通ったことがなく、ずっと気になっていたのです。
三島エリアから伊豆縦貫道、さらに月ヶ瀬から国道414号に入って伊豆半島を南下。ループ橋を越えてしばらく進むと分岐が現れ、いよいよ新しい河津下田道路に入ります!


何年前だったか、バイクで下田へ向かったときは「国道なのに、なんでこんなにクネクネ道なんだよ!」と心の中で突っ込んだものですが、あの超絶クネクネゾーンを見事にパスしてくれるのがこの河津下田道路。これはもう、国土交通省への感謝しかありません。残りの伊豆縦貫道も一日も早い全線開通を願うばかり…!
下田の町に入る少し手前、県道15号で西の方角へ分岐。飲める温泉としても有名な観音温泉を横目に松崎方面へ進みます。身構えていた峠道は思ったよりも厳しくなく、また事前調査どおりセンターラインのある道路だったのでスムーズに峠を越えることができました。
ここまで来てそろそろお昼時。当初は松崎で優雅にランチタイムにする予定だったのです。お目当てはカツカレーで有名なあのレストラン。しかし、残念ながらこの日はお休み…!
周りの他のお店も休日でかなりの大混雑だったため、今回は猿と時間を最優先し、コンビニでサクッと食糧を調達して先を急ぐことに。


ウワサのランチは逃したものの、少しだけ時間を割いて松崎の名物だけはしっかり目に焼き付けてきました。そう、松崎と言えば「なまこ壁」。歴史を感じさせる、貴重な街並みですね。

松崎の市街地を出た後は、西伊豆の美しい海岸線をなぞるようにさらに南へと車を走らせます。

ここは猿の王国!行く手を阻む手荒い歓迎
国道から波勝崎へと向かう分岐点には、大きな猿の看板が出ているので迷うことはありません。ただし、ここからは一気に道幅が狭くなるので運転には注意が必要。

そして、注意すべきは道幅だけではありません。 そう、ここは猿の王国。道路を進むにつれて、路上にちらほらと王国の国民たちが姿を現し始めます。ここで彼らに粗相があっては大変!

彼らはすっかり車に慣れているようで、人間を恐れる様子もなく、堂々と道路の真ん中に佇んでいます。これは漫然運転をしていたら絶対にぶつかってしまうレベル…! まさに彼らの領土に足を踏み入れたのだと実感。ここでは私たち人間のほうが「お邪魔させてもらっている客」なのです。

ついに到着!驚愕の険しい地形
さあ、お目当ての波勝崎モンキーベイに到着! 敷地内には広々とした駐車場と、受付や売店が入った立派な建物があります。

ただし、気を抜いてはいけません。ここがゴールではないのです。ここから野生のサルたちが待つ海岸までは、少し歩いて下る必要があります。が、この坂の急なことといったら!これは足腰が健全な方でなければ上り下りするのはかなり辛いですね…。

弱肉強食!?垣間見たサルの社会の厳しさ
坂を下りきって海岸に近づくとパッと視界が開け、いたるところで猿たちがウロウロしている空間が広がります。仲間の毛づくろいをする猿、お母さんと赤ちゃん猿や仲睦まじい家族猿など、眺めているだけでもほっこりした気持ちにさせてくれます。



ここで人間がどのような扱いを受けるかというと、一般的な動物園とは真逆…つまり、人間側が頑丈な建物(檻)の中に入り、そこから窓越しに外の猿たちへ餌をあげる、いや「召し上がっていただく」ことになります。

さっそく、愛くるしい子猿に癒やされようと餌を差し出したのですが…問題が発生。 常に近くで目を光らせている屈強な猿が、子猿にあげようとした餌を、あるいは「すでに子猿が手にした後」であっても、容赦なく力づくで奪い取っていくのです……!

こうなると人間側もおだやかではなくなってきます。「強い猿の目をいかに盗み、小さな子猿に餌を届けるか」という、緊迫のミッションが課せられることに。
人間と同じように、群れとして高度な社会性を持っている猿たち。とはいえ、目の前で繰り広げられるのは腕力がすべてを支配する圧倒的な競争社会。
もしも人間社会から「法による支配」がなくなったら、こんな世界になってしまうのだろうか……と、可愛い猿を見ながらちょっと背筋が凍り付くひとときでした。

さいごに
決して「ふらっと気軽に立ち寄れる場所」とは言えないロケーションですが、野生のニホンザルを間近で観察できる波勝崎モンキーベイは、研究や教育の場としても貴重なスポットだということです。
もしも松崎や南伊豆、下田へのドライブ旅を計画しているなら、ルートに組み込む価値は間違いなくアリ!日常を忘れて猿たちとの濃厚な時間を体験してみてはいかがでしょうか?もちろん最寄り駅から歩いていきたい方は止めません、頑張ってください。
