今回は、在住の萩尾 聡子さんにお話を伺いました。
■ プロフィール
萩尾 聡子 (はぎお さとこ) さん
青木工務店
Contents
はじめに
住宅の新築やリフォーム、店舗の改装や工場のメンテナンスを手掛ける青木工務店さん。創業はなんと大正10年という百年企業。ホームドクターとしての親身で地域に密着した姿勢と、地元産を中心とした木材をふんだんに使った温もりを感じる施工が印象的な工務店さんです。【前編】
百年続く会社
会社を承継された事について、どのように感じましたか。
父と母が仕事をしている姿を小さいときから見ていたので、いずれは自分がやっていくのかなというのはぼんやり思っていました。大学も建築学科に進んで、就職先もいくつか工務店さんに勤めさせて頂き、お世話になり、その後家業に戻ってきて仕事をするにあたって、あらためて会社の歴史を振り返ってみたのを覚えています。
百年ほど続く会社ということは意識されましたか。
会社を継いだ時点であと5年で創業100年なんだというのを知りまして、その時に自分の代で絶やしてしまうのは申し訳ないという気持ちになったのもありますが、やはり建築という仕事が好きだったというのが一番ですね。そこで強く意識して続けたいと思いましたし、妹が先に会社を手伝ってくれていたことも心強い部分でした。
いつもお願いしている職人さんたちも地元の方が多いですし、昔から長くお世話になっている職人さんも多いです。その職人さんたち自身も世代交代しながら仕事を繋いでいるんですね。そういうふうに色々なご縁で繋がっているんだなと、すごくありがたく感じています。
住まいのかかりつけ医として
”ホームドクター”には、どのような思いが込められているのでしょうか。
地域に密着でお仕事をさせていただいていますので、住まいのことで困ったときに思い浮かべていただいて、お声を掛けてもらえるようになれたらな、というように思っています。かかりつけのお医者さんみたいに何でも相談できるような。
新築であれば1ヶ月、3か月、1年、3年、5年というように定期的に点検に行かせていただいてます。また、困ったことがあればすぐに駆けつけられるようにしています。水回り関係や、トイレがつまったとき等、電気が急に使えなくなるとか、やはり生活にすごく関わることが多いですので、まとめてすばやく対応できるようにと思っています。職人さん方も、連絡しますとすぐに来ていただけるような方々ですし、そんな職人さんとの関係性も今まで父と母がずっと繋いできてくれたおかげだな、と思っています。
住宅医の認定も受けていらっしゃいますね。
住宅医協会から住宅医としての認定をいただいています。全国に住宅医さんがいらっしゃって、建築に関する新しい情報などもその繋がりで共有させていただいています。
ホームページをご覧になってお問い合わせいただく方もいらっしゃって、”住宅医”という部分で信頼を寄せてくださる方もいらっしゃいます。ちょっとしたことでも、誰に頼んでいいか分からないというような時に声を掛けていただくこともあります。
地域密着
地域に根差した事業を展開されていますね。
食べ物もそうなんですが、いえづくりも地産地消みたいなものを心掛けたいと思っています。生産者のお顔が見える野菜と同様に、建ててくれた人たちの顔が見える家づくり、という感じで職人さんもなるべく地元の方にお願いできればと思っています。そのように、繋がりが強い方同士で作っていけるのがお客様にとっても安心なのかなと考えています。
材料も地域のものを使われているのでしょうか。
伊豆や県内産の木材を主に使っていければなと思っています。もともと木を使ったものを作る事がすごく好きなので、使う材料のルーツを大切にしていきたいという思いがあります。伊豆の材木屋さんとのつながりで天城杉の伐採の現場に行かせていただいたこともあります。素材の原点を辿っていけるような仕事にこだわっていきたいと思っています。
静岡県下では天竜スギ等の静岡県産材も多くあります。県内産の材料を使うと補助金が出るような制度もありますので、そういった制度はお客様にもご案内しています。
どれくらいのエリアで営業されているのでしょうか。
車で30分〜1時間くらいの範囲で移動できるような範囲で、お困りの時にはすぐに行けるような地域を意識しています。おおよその目安としては、北は御殿場、南は修善寺、西の方は富士の辺りまで、というような感じでしょうか。
あまり遠方になりますと、やはり何かあった時の早急なメンテナンスなどが難しく、お客様にご不便をおかけしてしまう不安もありますので、近隣のお客様を中心にお仕事をさせていただいています。
後編はこちら↓