今回は、河津バガテル公園 の柏崎さん、小宮さん、相馬 さんにお話を伺いました。
静岡県はバラの生産量が全国2位!
今回は、河津町にある「河津バガテル公園」を訪問し、園長の柏崎さん、ガーデナーの小宮さん、相馬さんに、河津バガテル公園の特徴や楽しみ方を伺いました。バラは春・秋がシーズンで、お伺いした7月下旬はバラが少なかったですが、楽しいお話を伺え、充実した1日となりました!
パリのバガテル公園とウリ2つ?!
「バガテル」という名前が気になります
フランス語で「ささやかで優雅」という意味ですね。うちは、パリにある「バガテル公園」の姉妹園で2001年にオープンしました。パリのバガテル公園は、17世紀に改修されたフランス式のバラ園で、マリー・アントワネットも好んでよく訪れたみたいです。
ガーデナー 相馬さん
公園の特徴は?
フランス式の庭園なんです。国内に英国式の庭園はいろいろあるんですけど、フランス式は珍しくて。
特徴は、左右対称で幾何学模様になっています。
バラ園に入っていただけるとわかるんですけど、だいたい東京ドーム1つ分ぐらいの広さがあって、そこがすべてフランス式になっています。
写真で見ていただけると、一目瞭然なんですけど、ほんとに、パリのバガテル公園とウリ2つです(笑)
開園の際に、パリ市の緑地公園管理局の専門家の指導を受けたんです。
もう1つの特徴として、バラの周りにツゲが植えてあって、それが額縁をイメージしてるんですね。額縁の中に絵を描くようにバラの花を咲かせるという感じです。
うわあ~、ステキですね!ところで、公園の形が細長いですね。
実は、パリのバガテル公園は、最初は乗馬の練習場だったんですね。それをパリ市の方で1900年ぐらいにバラ園にしたよう。だから、パリのバガテル公園も河津のバラ園も楕円形をしています。
世界のバラ1,100種、6,000株!
世界のバラが1,100種、6,000株もあると聞きました。どんなバラがあるか気になります。
オールドローズのような春にしか咲かないようなバラと、四季咲きのモダンローズ。それともう1つワイルドローズと言うのがあるんです。完全に原種のタイプなんで、これもオールドローズと同じように春にしか咲かないんですね。
ちなみに、河津町の気候はバラに適しているのでしょうか?
バラは寒い地方の方がいいんですね。ここは標高も高くて、冬になるとマイナスになるんですよ。場所によっては霜が降りると一日中凍っています。
バラを育てやすい気候なんですね。園内に有名なバラはありますか?
メインになっているお花は、
- 開園の記念花の「伊豆の踊子」
- 5周年記念花の「クイーンバガテル」
- 10周年記念花の「ブルーリュバン」
あとはマリーアントワネットが好きだった「プチトリアノン」。肖像画にも描かれています。有名な国際コンクールでも金賞を取っている有名なバラなんですね。
珍しいバラだと、「オールドブラッシュ」。原種なんですけど、四季咲きの特性を持っていて、このバラがきっかけで今の四季咲きが生まれました。バラの歴史に影響を与えたバラですね。
ちなみに、バラってすごくいろんな名前があるけど、皆さんは覚えられているんしょうか?
無理です(笑)。言われると、あの辺にあるなというのは、なんとなくわかるんですけど。
プロのガーデナーによる管理
普段は、何人ぐらいで管理されてますか?
今は8人。少ないですね。長い人は10年、20年続けています。この公園の開園時(2001年)からずっとの人もいます。
大きな作業は、年に2回の剪定の作業。あとは、肥料をあげたり、枯れた枝を取ったり。
ずっと晴れると水やりをします。地植えで、長期間育てているので、根も張っていて、そこそこの乾燥は我慢してくれるんです。
ただ、ツルバラは枝が長いんですね。オベリスクっていう鉄塔があって、そこにツルバラが、らせん状に巻き付けてあるんですけど、一番長いものだと10mぐらいあるんです。それは頻繁に水やりが必要ですね。ちょうどいいぐあいに雨が降ってくれるといいんだけど、相手が自然なんで、なかなか(笑)
普段の管理で一番大変なことは?
病気、害虫ですかね。早めに見つけて手を入れてあげる。
バラは雨に弱いんです。色が変わったり、開かなかったり、つぼみのままダメになったり。ラグビーボールみたいに三角になってしまう。茶色くなってポロっと落ちちゃう。
いつもメンバーで園内を見回っています。バラの様子をチェックして、1週間から10日に1回、病気や害虫に合わせた消毒をしていますね。
毎年、キレイに咲かせるためには、いろいろ手がかかるんですね。
はい。でも、それが仕事なので(笑)
20年前のバラがまだ元気!
ガーデナーの皆さんのおかげで、毎年、キレイなバラが見られますが、今あるバラで、開園当時のものもあるんでしょうか?
物にもよるけど、7割から8割ぐらいは開園当時のバラです。見ればわかるけど、株が大きいです。まだ元気ですね。
バラは、だいたい30年前後が寿命なんです。途中で病気や自然にやられてしまうのもあるので、そうすると、新しいバラを植えます。
丁寧に育てると、30年も咲き続けるんですね!ところで、新しいバラは、どうやって選ぶんですか?
流行があるんですよ。バラって毎年、たくさんの品種が出て、今登録されているバラは20,000品種ぐらい。
その中で、花の大きさや色などの流行がある。ここ2、3年は、大輪系より中輪系で花数が多いものが人気があるみたいですね。
7月下旬の夏真っ盛りの日でしたが、公園内はさわやかな風が吹いていて、高原に来た気分でした。花を育てたり見るのが好きなので、皆様のお話がとても興味深かったです。バラを丁寧に育てられている様子が伝わってきました。後編では、河津バガテル公園の楽しみ方をお伝えします!
■ 会社・店舗案内
河津バガテル公園
世界のバラ1,110種6,000株のバラの香りに包まれるフランス庭園式ローズガーデン
〒413-0511 静岡県賀茂郡河津町峰1073
https://bagatelle.co.jp/
0558-34-2200