編集長からビールが届きました。
熱海ビール。
前回同様、ビールの紹介をしていこうかと思いましたが、銘柄はピルスナー、ヴァイツェン、ペールエール、とお馴染みのもので、前回と内容が丸被りしてしまう・・・ということで、私の遠い記憶から、清水町民から見た熱海をご紹介させていただこうと思います。
↓前回の内容はこちら
自宅で伊豆のビール(後編)
多分に偏見の混じった、うがった見方になっているかと思いますが、幼少期から青年期に思ったことですので、何卒ご寛容をいただきたく、よろしくお願いいたします。
また、話の途中に脈絡もなくビールの写真が差し込まれるかと思いますが、そこのところも、何卒ご寛容をいただきたく、よろしくお願いいたします。
想像上の熱海を畏怖する。
熱海ビール WEIZEN
さて、お話は急速に1980年代に飛んでゆきます。
静岡県駿東郡清水町で暮らしていた幼少期の私は、熱海には行ったことがなくテレビでときおり見かける程度でした。
熱海は、箱根の向こう側の遠い街。
箱根の向こう側は関東で、関東は都会、だから熱海も都会というイメージ。
主に田んぼや小川でザリガニやオタマジャクシに対して無双することを生業としていた私は、近所の土手がちょっとコンクリートやアスファルトで舗装されようものならば、いよいよここも都会になるのだ、などとウキウキしたもので、そんな世間知らずだった私にとって、熱海は大きな建物が立ち並ぶ、箱根の向こうの都会だったのでした。
チャリンコで行ける範囲の沼津や三島よりもはるかに都会的で、語尾に「だら」など付けずにスタイリッシュな言葉を話す人々が暮らしているのだろうなぁ、と思っていました。
スマホもインターネットない時代。マックスに膨らませた想像を、ややもすればホントのこととして胸に収めてしまう時代でした(たぶん)
そういう時代でしたから、行ったことのない箱根の向こう側の都会に、身構えてしまうようなところがありました。
こっちにはサンテラス駿東があんだかんなっていう謎のプライドは持っていましたが、それだけでは心もとないというのも幼心に感じていました。
青年の世界は熱海人を経て広がる。
熱海ビール PILSNER
そんな想像上の熱海に畏怖しつつ、サンテラス駿東への異常な信仰心を覗かせながら幼少期を過ごした私でしたが、高校はというと、学区は隣でしたが沼津の高校へ進学しました。
何しろ、清水町の学区のままだと、高校への通学は狩野川の土手をひた走ることになるのです。
最高にクールなデートスポットはイチゴ狩からの反射炉、ということになるのです。
ハートウォーミングなバレンタインデーのプレゼントは伊豆長岡のお饅頭、ということになるのです。
(たくさんの方を敵に回すような発言をしている気がしています・・・)
漫画で読んだ高校生活ってそういう感じじゃな~い!
「学園通り」とかいう煌びやかな名前の通りを颯爽と自転車で駆け抜けた~い!
ティラミスとかナタデココとかを学校帰りにつっつきた~い!
と急速にな~いとた~いが湧き出てきて、沼津の高校を選択したのでした。
小学校・中学校の通学は田んぼを横目に徒歩5分、という狭い世界で生きてきた私は、
高校生になるにあたってのテーマを、田舎からの脱却に設定していたのです。
脳内が「な~い」「た~い」で埋め尽くされつつ希望に満ちて高校へ進学すると、
高校には、学区飛び越えすぎじゃな~い?っていう感じで
2学区飛び越えて、熱海方面から来ているヒトもおりました。
箱根の向こう側の都会の熱海です。
都会のヒト、相模湾サイドのヒト、異文化のヒト。
幼少期に抱いていた畏怖が再燃しました。
奉るか?奉って何か納めようか、等とたたりか妖怪の類のように扱いかけましたが、
話してみると、すこぶる良いヤツでした。
語尾も「だら」でした。
そうか、彼も静岡県民なのだ、と思いました。
仲間じゃないか、という気持ちが急速に芽生え、
そういえば熱海って電車で2~3駅だもんな、等と思ったのでした。
おわりに
熱海ビール PALEALE
こんな風にちょっとずつ生きる範囲を広げながら大人になっていったのだなぁ、と熱海ビールを飲みながら、しみじみと思いました。
そういうわけで、ここまで読んでしまった方、いったい何の話だったのか、時間を浪費してしまったじゃないか等とお思いでしょうが、ぜひともご自身でもビールとともにその土地との思い出を掘り返す、という時間を持ってみてはいかがでしょうか。
なかなかにノスタルジックな、豊かな気分になるものです。
ちなみに、ビールは味の薄い順に飲むのがおススメなのだそうで、本日はWEIZEN、PILSNER、PALEALE、REDALEの順で飲んでみました。
熱海ビール REDALE
熱海ビールの購入先
2021/8/31 追記(編集長)
今回お届けした熱海ビールは、伊豆丹那の酪農王国オラッチェで作られているビールです。
購入先のお問い合わせを頂きましたので追記させていただきます!
この熱海ビールをオラッチェの売店でご購入いただくと、1本につき100円を7月3日に起きた熱海の土石流災害への義援金として寄付できるようです。
あれ、熱海ビールの通販サイトが見当たりませんね…。
もしかしたら、オラッチェからでないと送れないかもしれません。
お電話でお問い合わせくださった方、誤った情報をお伝えしてしまい、申し訳ありません。
同じくオラッチェで作られている日本で最初のオーガニック認証ビール「風の谷のビール」6本セットであればこちらから購入できます。(味は同じなんだろうか…)
もし、どうしても熱海ビールじゃなきゃダメなんだ!ビールを飲んで義援金を届けるんだ!という場合は、お手数ですがご相談ください。。(どこまでご対応できるかは不明ですけれども。。。)
そして、オラッチェって何?というあなた、ぜひこちらの記事をお読みください!
「オラッチェと乳製品と私」みたいな感じでひろゆきさんがまとめてくださっています!
引き続き、IZU LIFE JOURNALでは伊豆のおもしろいこと、おいしいことを発信していきます。