6月は梅雨の季節ですね。
穢れを知らぬ幼い頃、雨の降る外を見ながら、
「この雨が飴ならよかったのに、うふふ」
などとメルヘンな空想で退屈な雨の日を過ごしたことを思い出します。
大人になった今では、子供と取引する用の飴玉をポケットに隠し持つだけで、なかなか飴玉を舐めようという機会はありません。
Contents
西伊豆 飴元 菊水
飴だけを売るお店。キャンディーショップ。
「大きくなったら何になりたい?」
と聞かれたかわいらしい小さな子が
「キャンディー屋さんになりたい」
と夢を抱くきっかけになったお店。
あるいは、
「キャンディー屋さんになりたい」
と答えた小さな女の子がその志を温め続け、ようやく叶えた飴屋さん。
そんなお店が西伊豆にあります。
お店に入ると、かわいらしく、元気で快活な女将さんが出迎えてくれます。
お店にずらりと並んだ飴は、梅雨の時期に空から飴が降ってきたらいいのに、と想像したその飴の見本のような飴です。
空から降る飴のイデアそのもののような飴です。
こってりとした飴のかき氷
気候が暖かくなるとメニューに加わるかき氷。
ざくざくの氷に、こってりとした飴のかき氷。いちごの酸味がきちんと残ってほどよい甘酸っぱさを演出します。
飴のシロップのかき氷。
気になりますよね?
前回の記事のようにライターのわりに表現力の乏しい筆者ですので、今回もできる限りの表現を試みてみますが、みなさんも大いに想像力を働かせてみてください!
まず、飴のかき氷ということで、水あめのようなものを想像していますか?
ここの硬さですが、ジャムと水あめの中間のような感じです。
パンにのせたらすっと伸ばすことは出来なさそうですが、割りばしにくっつけてネリネリするにはさらさら過ぎる、という具合です。
飴のベースの中にごろごろのいちごが入っています。
これは、「ごろごろ果肉のコンポート」といった感じです。
どうやらジャムの仲間には、コンフィチュールやコンポートなどがあるようです。
その中でもコンポートというのは、果物の形を崩さないように煮詰めたものを言うらしいです。
味は「昔ながらの」というものが共通認識としてあるとすれば、「昔ながらの」と冠をつけたくなる味です。
香料とか、おしゃれスパイスなどに頼らない、果実と飴が二人三脚で醸し出す風味が郷愁を誘います。
そして、最後に特徴的な氷ですが、こちらの氷も「昔ながらの」という表現が合います。
最先端の「ふわふわ」のかき氷とは一線を画します。
それもそのはず、「ふわふわ」の土台では、上からかけるごろごろ果実の飴シロップに押し負けてしまうからです。
こってりとした飴シロップを大地のようにしっかりと受け止めるザクザクした氷です。
お待ちかねのビジュアルはこちら。
ドライフルーツと飴
ドライフルーツに飴のかかった何ともかわいらしい飴。
こちらの飴が衝撃的なおいしさなのです。
ドライフルーツのサクサクと飴のパリパリが絶妙なハーモニーを奏でます。
ドライフルーツの食感、味、風味がしっかりしていて、やさしい飴の味がそっと寄り添っている感じです。
きちんとフルーツの酸味が残っているところがすばらしいです!
こちらの飴、地域のご婦人たちがすべて手作りで作っているそうです。
西伊豆のかわいらしい飴屋さん。
西伊豆を訪れた際にはぜひお立ち寄りください。