今回は、瑞の里 〇久旅館の鈴木 久弥 (すずき ひさや) さんにお話を伺いました。
こんにちは、ライターのまえけんです。
この新型ウィルスの状況でも、収束後を見据え修善寺のためにできることに励む経営者からお話を伺いました。この大変な状況でも、修善寺のために取り組むその活動、そして経営者の想いを紹介したいと思います。
修善寺温泉場での清掃活動
今回の取材では、修善寺温泉清流の桂川のほとりに佇む「瑞の里 〇久旅館」(みずのさと まるきゅうりょかん)の鈴木 久弥専務からお話を伺いました。新型ウィルスの影響を受け、現在は〇久旅館を含め、多くの修善寺の旅館は休業しており、大変な状況です。しかし、鈴木専務は地元修善寺のために何かできることはないかと考えた結果、旅館の社員にも呼びかけ修善寺温泉場の清掃活動にボランティアで取り組んでおります。専務の発案したこの地元密着のボランティア活動は、地元の新聞やテレビでも取り上げられました。そして、清掃活動に協力したいという地元の方々も増えており、現在は約30名で清掃活動に取り組んでおります。清掃活動は週に2回、4月中に計6回取り組んでおります。この活動内容について、取材から伺った鈴木専務の想いについて紹介していきます。
今回、なぜ清掃活動に取り組もうと思ったのですか。
新型ウィルスの影響を受け、旅館も休業せざるを得ない状況でした。しかし、ただ休業させるのではなく、今の自分にできることは何かないかと考えました。地元修善寺で商売をさせてもらっている以上、地元修善寺のために貢献したいと考え、修善寺温泉場での清掃活動に取り組もうと思いました。また、旅館を休業すると当然、社員のみんなも休まざるを得ない状況になります。その間、社員と顔を合わすことができず、社員も家にずっといるだけではストレスも溜まってしまいます。清掃活動を行うことで、外に出て体を動かせたらストレス解消にもなりますし、社員と顔を合わすこともでき、コミュニケーションを取ることもできます。
清掃活動により社員の方々に与えた影響はありますか。
社員にとっては、外に出て体を動かすことで気分転換になり、コミュニケーションを取る機会にもなりました。当初、社員に清掃活動の発案をした時、仕事ではないので参加するのは有志で良いと考えておりましたが、正社員だけでなくパートの方も参加してくれたのが嬉しかったです。
清掃活動に取り組むことで得られたメリットはありますか。
清掃活動に取り組む社員の姿を見ていて、社員の仕事への取り組み方が分かりました。例えば、率先して取り組む姿や、2時間の清掃活動を楽しみながら取り組む姿、言われた指示に対して的確に取り組む姿など、社員のそれぞれの動きを改めて認識するきっかけになりました。
また、会社としては地元の方々から「良いことをやっているね」とお褒めの言葉を頂き、地元に密着した企業として活動ができました。特に嬉しかったのは、近くの商店から差し入れのコロッケをたくさん頂き、清掃活動の後みんなで一緒に食べるなど、地域一体となり取り組んでおります。
今後、事態の収束を見据え、どのような活動を考えておりますか。
この清掃活動は当初、4月までの予定で考えておりました。日々変化する新型ウィルスの状況によりますが、社員のみんなや地元の方々の安全を第一に気にしながら、5月以降この清掃活動を続けていくことも考えております。旅館としては、こちらも新型ウィルスの状況によりますが、例えば、地元の方限定で日帰り入浴の受入れを考えております。予約制で、1家族1時間のように時間を決め、交代制でお客様を受け入れることも考えております。
鈴木専務の思う修善寺の魅力、〇久旅館の魅力について教えて下さい。
修善寺は1200年強の歴史ある温泉街です。この新型ウィルスの事態が収束後、この外出自粛の疲れを癒しに、多くの方に是非来て頂きたいです。〇久旅館としても、バリアフリーに対応した旅館であり、家族3世代みんなでゆっくりできる旅館ですので、ご家族みんなで来て下さい。
今できることをしっかり頑張っていく
鈴木専務の経営者としての想い、今読者に伝えたいことはありますか。
今回の新型ウィルスによる事態は異例のことで、日本全国が混乱している状況ですが、この事態がこのままダラダラ続くのは経済的にも苦しいです。お客様に来て欲しいのは山々ですが、今みなさんには大人しく自粛して頂きたいです。目先の収益よりも、安心・安全を最優先する方が大事です。マラソンを例に例えると、100mを全速力で走るのか、あるいはマラソンでゆっくり走るのか、どちらが今の日本にとって良いのかを考えると、早く事態が収束した方が経済的にも良く、今はみんなで100mを全速力で走る、つまり今できることをしっかり頑張っていくことが大事だと思います。
取材を終えて
今回の取材を通じて、今できることに前向きに取り組む鈴木専務の想いから私自身も元気を頂きました。今できることとして取り組んだ清掃活動を通じて、社員の方々、地元の方々との結束力も高まるきっかけになったと思いました。取材の中で、鈴木専務から『修善寺のため』『地域密着』という言葉を何度も耳にしました。地元修善寺のためにできることに邁進される強い想い、私の勝手な表現になりますが、鈴木専務の修善寺マインドが印象的でした。また、鈴木専務が社員や地元の方々、宿泊客の安心・安全を優先されておりましたが、これは〇久旅館がバリアフリー施設を整備されていることからも分かるように、鈴木専務の一貫した強い想いであると思いました。
■ 会社・店舗案内
瑞の里 〇久旅館
静岡県伊豆市修善寺1146
https://www.marukyu-ryokan.com/