今回は、ねの湯 対山荘の庄司 美貴 (しょうじ みき) さんにお話を伺いました。
■ プロフィール
庄司 美貴 (しょうじ みき) さん
伊豆市修善寺出身。デザイナーズ和モダン旅館「ねの湯 対山荘」の若女将。大学在学中から現社長の母親と二人三脚で宿の経営を支える。 修善寺温泉街の活性化に取り組むコトコト企画室社員。
チャレンジの苦労とこれから
新しいことに取り組んだときに、苦労したことはありますか?
うーん。そうですね。実は、料理にベジタリアン対応ができないか検討したときに、料理長とぶつかったこともありました。無添加の野菜とか流行っていたのでいろいろ検討したんですが・・結局、実現には至りませんでした。このときも「和」を大切にしたい想いから、無理はしませんでしたね。これまで大きな失敗がなかったのは「和」を大切にしてきたからだと思います。
これから取り組みたいことはありますか?
「チルい場づくり」なんかはチャレンジしたいですね。
「チルい」ですか!?
若い人が使う言葉で、英語のチルアウトから由来した言葉で、まったりする、くつろぐという意味の表現です(笑)。イメージとしては、夜のカフェとかでコーヒーを飲みながら、仲間と一緒に過ごす時間を大切にしている空間とかですね。ライトアップされた修善寺の足湯につかりながらお酒をゆっくり飲むのも同じイメージですね。
ネット検索で「チルアウト 素泊まり」とかで調べて「対山荘」が出てくるようになったらうれしいです。
修善寺でのビジネスの魅力
修善寺でのビジネスの魅力は、どんなところだと思いますか?
修善寺は1200年の歴史が続いているまちだからこそ、ビジネスを長く続けたい人には良いまちだと思います。そして、本物を提供するのにふさわしいまちだと思います。
海沿いのようなライトな感じではなく、山にある奥ゆかしさとか、ちょっとノーブルな感じもあるのかも。宿泊先に1泊数万かけて泊まる人が多いまちなので、そういうお客さんに価値が提供できるビジネスができるかどうかですね。
最後に、これから伊豆・修善寺で創業したい人にアドバイスをお願いします。
修善寺の地域は、外に対する警戒心が強いところがあるのかも。
それでも私の祖父、祖母ともに修善寺出身ではなかったけれど、自分の道を正しいと信じてやっていれば、50年、60年と続けられている。いろいろ言われることはあるかもしれないけど、自分が正しいと思うことを続けられればいいと思います。
あとは・・・このまちに価値を残していける人がもっと増えてほしいです。まだまだ足りないなあと感じています。ぜひ、時代を引っ張る人に来てほしいですね(笑)。
今日はありがとうございました!
インタビューを終えて
庄司さんは、和やかな雰囲気を醸し出しながらも、歴史ある修善寺のまちで女将の三代目として宿を構える「芯の強さ」を感じました。
それは、インタビューのなかで何度も出ていた「宿の世界観」という言葉に凝縮されている。その世界観をお客さんに提供するためには妥協は許さない、そんな凛とした姿勢がちらちら見えた気がします。
チャレンジを続ける庄司さんの「修善寺のまちに癒しの舞台をつくりたい」という言葉が印象的でした。
■ 会社・店舗案内
ねの湯 対山荘
静岡県伊豆市修善寺883