今回は、ルカワインの下里 祐美子 (しもさと ゆみこ) さんにお話を伺いました。
はじめに
三島の中心部でワインの小売や卸を営むルカワインさん。コンパクトで可愛らしい佇まいながら、一歩足を踏み入れると日本ワインから海外のワイン、ビールまで無数のボトルがぎっしり詰まったまさに専門店の風格。お店のこだわりをはじめ、地域や世界とのつながりについてお話を聞かせていただきました。【後編】
前編はこちら↓
まわりとの繋がり
近隣の事業者さんとのコラボをされていますね。
これもコロナがきっかけなんです。夏祭りが中止になって三島市民の中から夏休みがぽっかり空いてしまって、なんか寂しいねって話をしていたときに、ちょうど反射炉ビヤさんからコラボでビールつくりませんか?という話をもらったんです。それで、三島らしくて夏を楽しみにできるようなものを何か一つ作りたいなと思ったんです。
で、夏といえばモヒートだと思ったんですよ。近所のBar Yumotoさんに監修してもらって、三島のミントを使った”せせらぎモヒートAle”っていうビールを作ることにしたんです。箱根西麓で有機で作っている農家さんのミントを使っているんですけど、ミントも年によって風味が違ってくるので毎年ちょっとずつ味が違うんです。
せせらぎモヒートAleは今年で3年目で、これから仕込みを始めるところです。その他にも、近くのkudo菓子工房さんとコラボのビールを作ったりもしています。シナモンやスパイスを使って、お菓子に合うビールなんですよ。
国内の生産者さんとも強い繋がりがあるのですね。
国内の生産者さんとは、ブドウ畑の栽培のお手伝いをさせていただきながら、苦労されてる事とかブドウの出来はどうですか?っていう何気ない会話をさせていただくんです。
皆さん一人でやってる方が多くて生産量にも限りがあるので、このような関係性を作らせていただけるのはとてもありがたいですね。日本ワインは生産者さんから直接仕入れることも多いので、お互いの人柄をよく分かっていることで気持ち良くお取引させていただけるんです。
海外の生産者さんも訪ねていくのでしょうか。
海外の生産者さんは輸入業者さんを通じて三島にいらっしゃることもあったり、そのようなきっかけで私達も海外の生産者さんの畑を訪問させてもらったりしています。お知り合いになった生産者さん達のワインには愛着が持てて楽しいというのもありますし、生産者さんたちも私たちのお店に来て、東京じゃない地方の町でも自分たちのワインが売られていく現場を見るというのが凄く嬉しいらしいんです。
海外から来ていただいたときには、お店で生産者の方からワインを注いで説明をしていただいて販売する店頭販売をやったりとか、あとはその方のワインを普段から使っていただいている飲食店さんでディナーを開いてワイン会をやったりもしていますね。
今後について
今後の展開についてどうお考えですか。
今までの10年は、ただただすごく走ってきたっていう感じなんですよね。ワインを選んで買い付けて販売して、っていうのをワーってやってきた感じなので、そうやって広げてきたものを今度は掘り下げていくという所を目指したいですね。より一つ一つの精度を上げて、質を高めていくことを大事にしたいなあっていうのをすごく思っています。
その一つがセラーを作って品質管理するってことだったりするんです。より個性を上げて、地元の方であったりルカワインを使ってくださるお客様に、専門店だからこそできる最大限のことを還元したいな、というのを強く思っています。
おわりに
インタビュー中にいらっしゃったお客さんも、祐美子さんやお母様による丁寧な接客でとても満足そうに店を出ていかれるのが印象的でした。地域でのコラボに加えて、日本全国の生産者産、ひいては海外との繋がりなど、この小さなお店の持つ大きな可能性に驚きを感じるインタビューとなりました。
■ 会社・店舗案内
ルカワイン
〒411-0858 静岡県三島市中央町2−6
https://www.luca-wine.com/