今回は、伊豆市在住の有城 利博さんにお話を伺いました。
■ プロフィール
有城 利博 (ありしろ としひろ) さん
ありしろ道具店 代表
福井県出身。 新潟で家具づくりに従事し、2005年に伊豆市に移住。森林ボランティアのNPO法人に参加。時松辰夫 アトリエときデザイン研究所代表に師事。2011年にNPO法人解散後、同年7月にありしろ道具店を設立。椀、皿などの木の器、はし、スプーンなどの木のカトラリーの製造販売。修善寺温泉街の活性化に取り組むNPO法人コトコト企画室 監事。
中伊豆・修善寺でのビジネスの魅力
中伊豆・修善寺でビジネスをしてよかったことはありますか?
地域の人たちのサポートが温かいことですね。この工房が住宅街にあっても、不満を言わずに受け入れてくれています。地元の造園業の方から材料となる木材をいただくだけでなく、近所の方々から野菜やイノシシを分けてもらうこともありますね。地域の方々が受け入れて、サポートしてくれる感じがあって、特にこの中伊豆地域は移住しやすい環境だなと感じています。おススメしますよ。
あと、修善寺の温泉街は、個性が強いものが集まっている感じがします。アートやデザイン系の人も増えているのかも。修善寺は、歴史もあるエリアなので、大量生産のモノであふれて、魅力のない観光地にはなってほしくないですね。
最後に、これから伊豆・修善寺で創業したい人にアドバイスをお願いします。
小さくてもいいので、自分なりのしっかりした「想い」をもってほしいと思います。小さいことが集まると大きなことになる。まちも一人ひとりの小さいことが集まって、盛り上がって楽しくなってくる。例えば、パン屋でも何かモノをつくるにしても、やりたいことを小さいことから1つずつ始めればいいと思います。
私自身も建築関係の勉強をしてその後、家具作りに携わり、次に食器づくりと、作るものはどんどん小さくなっています。でも、小さくすることで、むしろ「作り手の想い」は広がっていくと感じています。
インタビューを終えて
有城さんの小さな食器には、大きな想いが込められている。
間伐した伊豆の原木を何カ月もかけて、丁寧に作品に仕上げていく。材料となる木の個性を大切にしているからこそ、一つひとつの食器にぬくもりやあたたかみが感じられるのかもしれない。
そんなことを思いながら、話をお聞きました。
また、有城さんの話された「建築から家具、そして木の食器とつくるものは小さくなっても、むしろ作り手の想いは広がっていく」という言葉が印象的でした。あえてネット販売をせずに、お客さんとの対話を大切にする姿勢が、その想いも広げているのではと感じました。
おわり