南伊豆町には、1ヶ月から起業できるチャレンジショップがあります。
(写真出典:南伊豆町商工会ホームページより)
今回は、そんなチャレンジショップから起業をされたベトナム料理 OH!PHOさんのチキンカレーを紹介します。
チャレンジショップとは
チャレンジショップとは、行政や商工会などが連携し、空き店舗の活用と起業家育成の一石二鳥を叶える夢のような制度なのです。
南伊豆町の場合も行政と商工会が連携して町の空き店舗を改装し、チャレンジショップを運営しています。1ヶ月あたりの出店料はなんと10,000円(水道・電気・ガス代込)!
そして、一番の魅力は、飲食店での出店も可能だということです。
飲食店の出店をする際に特に大きな障壁となるのが、①飲食店の営業許可の取得、②防火管理責任者の資格の取得、③調理・備品・器具などの設置、などが挙げられます。
なんとこのチャレンジショップでは、①~③の問題がすべてクリアされた状態で営業を開始することが出来るのです。
ちなみに、飲食店の出店は+10,000円の20,000円だそうです。
出店者の予定はこちらから
チャレンジショップから開業したOH!PHO
南伊豆の下賀茂商店街をぶらぶらしていると、何だか異国情緒あふれる香りと音楽に五感を刺激され、吸い込まれるように店内へ。
そこにはかわいらしい微笑みをたたえた女性がふたり。
「いらっしゃいませ」と温かくむかえてくれます。
メニューを渡され一通り眺めてみると、バインミーを発見!
いつだったかおしゃれ雑誌やおしゃれカフェなどで見かけたおしゃれサンドイッチではないか。
多分、なんとかパテとかなんとかハーブとか、そんなおしゃれ食材でおしゃれ味つけがされたイケてるサンドイッチに違いない。
食べたことはないが、こんなにベトナム感にあふれているお店なんだから、本場のバインミーを食べられるチャンス!
でも、大量のパンが出てきたらどうしようと心配になる。
バインミーに使われているのはフランスパン。硬くて長い水分の少ない炭水化物を大量に食べる自信がない。
お前はメニューを決めるのにいつもごちゃごちゃうるせーなー、とお思いになるのも無理はありませんが、中年女性というものは賢明であり、自らの食欲を過信しない奥ゆかしさを兼ね備えているものなのです。だからランチのメニューを決めるのにいろいろとシミュレーションをするのは仕方がありません。
食べなれないものを大量に食べるのは難易度が高いので、ここは鉄板のメニューであるチキンカレーをオーダー。
カレーを食べれば、その店の何かが分かるはず。
OH!PHOのチキンカレー
チキンカレーを待つ間、私は店内でぼうっとしていた。
お店のふたりの女性は仲良さそうにおしゃべりをしながら料理を作っている。
恐らく母国語なのだろう。そして後から知ったのだが姉妹なのだそう。
ベトナムには行ったことがないけれど、なんだか時間がゆったり流れる南伊豆にいると、ベトナムもこんな感じなんだろうかと想像する。
壁の蓮の花の絵やベトナム産の缶ジュースの売り物などを眺めていると、なんだか遠くに来たような気持になる。
チルですね、チル。
そして登場したチキンカレー。スープのようなさらさら具合。
こういったときに迷うのは、米にカレーをかけるのか、カレーの皿に米を入れるのか、米とカレーを別のものとして交互に食べるのか。
きっとネットで調べればそのようなスープカレーどうやって食べる問題にも答えは出ているでしょうから、ここでは言及しない。
カレーにはごろごろの野菜とチキンが入っています。
スープの味は、ココナッツ的な甘さとチリペッパー的な辛さと出汁的なうまみを感じます。
なんでしょう、この出汁的なうまみは。やさしい感じがします。
お米もまた東南アジア系ですが、そこまでパラパラしていません。
お皿の上に対角線に乗ったアーモンド風に形どられたお米を見ても、形どることが出来るほどの粘度であることが見て取れます。
日本の食材で作っているからでしょうか。
ベトナムが肩を抱いてやさしく歩み寄ってくれているような気がします。
カレーとねぎ
エスニック風のカレーではあるものの、どこか親近感のわく味。
親近感がわくなぁ、と思った理由のひとつには、カレーに乗ったネギが挙げられそうです。
ネギがそこにいることで日本とベトナムの架け橋になっています。
ネギがいいですので、ぜひご賞味ください。
きっとスーパーに行ったお二人が、いろいろと試食を重ねながら、
「この緑色の細長い葉っぱの野菜、いい感じじゃん」といってトッピングしてくれたはず。
そう思うと、日本の食材からいろいろと選抜してこのチキンカレーがつくられたのかと思うと感慨も深いです。
南伊豆のベトナム料理 OH!PHO、今度はバインミーをテイクアウトして帰りたいと思います!