サウナ初心者のライター仲原です。
サウナの世界を知るうちにたどり着いたサウナしきじ。
今回は、サウナしきじの②をお届けします。
Contents
サウナしきじと天然水
サウナしきじが聖地たる所以、それはサウナの命である水風呂が天然水であること。
天然水の成分はサウナしきじのホームページに詳しく紹介されています。
この飲める天然水かけ流しの水風呂がサウナしきじの目玉なのです。
考えてもみてください。い・ろ・は・すやクリスタルガイザーかけ流しの水風呂を。
更衣室には紙コップが置いてあって、水風呂の水が出る注ぎ口から水を汲んで飲むことが出来ます。
しかも、クーラーボックスに氷も用意してあるので、氷をいれてキンキンの水を飲むことが可能なのです。
(氷の使い方これで合ってます?)
※追記
サウナしきじの娘さんの記事を発見しました。
氷は顔や首に当てると毛穴が引き締まるらしいです。そのための氷かもしれません。
ということで、聖地の水風呂です。
そんなに冷たくありません。17~18度くらいな気がします。余裕で1分入っていられます。
水風呂に温度計はついていないので定量的なデータはありませんが、個人的な体感で16度くらいの水風呂では30秒もつかっていられないという感覚があるので、おそらくそれよりは温度が高いと感じます。
かけ流しの水風呂の最大の魅力は何か皆さんご存知でしょうか?
水風呂に入ってじっとしていると体の表面に接している水が温められて膜を形成します。その膜が形成されると水風呂の冷たさがブロックされて辛さがだいぶ軽減するのです。
この膜のことは羽衣(はごろも)と呼ばれているそうです。何とも風流な名前です。
チラーと呼ばれる循環型の水を冷却する機械を入れているところでは、水が絶えず循環しているので羽衣(はごろも)がはがされてしまうので絶えず冷たい水にさらされます。
その点、かけ流しの水風呂は水の循環が穏やかですから、羽衣ははがされません。
水の中でじっとしていれば、羽衣に守られいつまでも水風呂に入っていられそうな心強い気持ちになるのです。
ただ私はデータ主義的な部分があるので、心拍数が90台になったら水風呂を出ます。
サウナしきじの水風呂は決して拷問ではありませんでした。
水風呂が苦手でチャレンジできないあなた、かけ流し式の水風呂を選べば、やさしい羽衣があなたを守ってくれます。
安心してください。
サウナしきじと塩
水風呂をあがったら、ここからが唯一のご褒美タイムの休憩です。
サウナしきじではお風呂とサウナの中間の踊り場にアイランドキッチン的に置いてあるベンチで休憩です。
背もたれがないので、禅スタイルです。背筋を伸ばして瞑想するしかありません。横になって脱力とはいきません。
休憩の間ぼんやりと集団行動の女性たちを見るともなく見ていると、奥のベンチでひたすら塩をこすりつけている老婆を見つけました。
サウナしきじには塩が入った小さな入れ物が置いてあり、誰でも塩を使うことが出来ます。
老婆は大量の塩を手に取り、足や腕にすりこんでいます。
何か伝統の漬物をつけている風景に似ています。
痩せて貧弱な老婆は細い腕に塩をこすりつけ、自分を何かに加工しようとしている。
そのまま糠にもぐり込めば立派なぬか漬けになり、そのまま数時間置けば立派な浅漬けになるのである。
私はすでに漬物のような老婆がひたすら塩をもみこんでいる姿を見続けていて、それをやめることができない。
なぜなら私はととのっている最中であるからだ。
ととのいの時間、現実だか空想なのだかわからない世界に迷い込む。
それは魅惑的な世界で私はそこから目を離すことができない。
サウナしきじの洗い場では、そんなぼんやりした女性がベンチで各々の世界に浸っており、それぞれのととのいの時間を謳歌している。
灼熱地獄と冷水地獄を耐えた者に訪れるささやかなリラックス時間がととのいの時間なのだ。
まさにその数分間を味わうために我々は苦痛に耐えるのである。
これは世界の七不思議に取り上げられてもいい話だが、ジムのサウナにはサウナに入って、水風呂に入って、休憩をせずにサウナに舞い戻る人々が結構たくさんいる。
私はその人たちのことを文字通りあんぐりとした顔で見てしまう。
その人々はサウナの唯一のご褒美であるととのいを辞退して、サウナと冷水の地獄だけを繰り返しているのである。
私が人見知りでなかったらその人々の意図を問いただしているところだ。「なぜ、唯一のご褒美を受け取らないのだ。ここに数分座って休みなさい」と。
サウナしきじとあまみ
ととのいの時間は、「はい、終わりましたよ!」という合図のもと、きっぱりと終わってしまう。
夢とうつつの間のくず湯のような時間は過ぎ去り、矯正したてのメガネのようにきっぱりとはっきりとした世界が開かれている。
奥のベンチを見るとそこにはもうあの老婆はいない。あの老婆はこの風呂場のどこにもいないのである。
私は塩壷のベンチに座り、ひとつかみの塩を身体に塗り込んでみる。
太ももを見るとあまみが出ている。あまみとは網目状の赤みのことを言う。これもサウナ用語のひとつ。
10か月サウナに通ってはじめてのあまみである。一説には、あまみはサウナと水風呂の寒暖差があることで現れるとも言われている。
もしかしたら予想よりも水風呂が冷たかったのかもしれない。天然水とかかけ流しとかそこら辺の聖地的要素が重なって冷たく感じなかっただけなのかもしれない。
天然水おそるべし。
風呂場ではどこかの窓が開いているのかさわやかな風が吹き抜けている。
つづく
ちょっと2回目でも話が終わりませんでした。
どうしてもフィンランドサウナのことをご紹介したいので、次回がサウナしきじの最終回となります。
音声だけのテレビのなぞが判明します。次回をおたのしみに!
サウナしきじ
〒422-8036 静岡県静岡市駿河区敷地2-25-1
https://www.saunashikiji.jp/