長泉町の友人と雑談していたときのこと。曰く、クレマチスの丘が閉鎖してしまっている(2025年1月現在)ので長泉に観光スポットと呼べる場所は無くなってしまったんだよね。とのこと。
いやいや、何かあるでしょ。ほら、えーと、鮎壺の滝とか!
という私の反論に友人は十分に納得したように見えなかったものの、そういえば最近鮎壺の滝に隣接した公園をリニューアルしているという話を聞いたな…ということで調査を敢行することにしました。
いざ、滝へ
まずは簡単に、鮎壺の滝とは黄瀬川の下流近くにある滝で、三島溶岩流のダイナミックな地形も感じられることから伊豆半島のジオサイトにも指定されております。三島駅の新幹線口からも近くアクセスは良いものの、目立った観光地化はされていないので知る人ぞ知る穴場スポットなのだろうと思っています。
下土狩駅からは徒歩圏内なのですが私の住まいから御殿場線にアクセスするのは容易ではなく、かつ週末の子供たちに娯楽を提供する義務も追っているため家族を連れて車で出発。


遊び場はすでにリニューアルが完了しており、新しい遊具が設置されていて多くの家族連れで賑わっております。が、面積的には大半を占める芝生広場とレストハウスのような建物は鋭意建設中。ちょっと調査に来るにはフライング気味でしたでしょうか。


駐車場側から川を渡る橋のたもとには「沼津市」の標識が。そういえば「鮎壺の滝は長泉町!」だと思っていましたが、ここは黄瀬川なので対岸はもう沼津市でしたね。
さて、子供たちをできたばかりのピカピカの遊具(こんな魅力的な複合遊具がうちの近所にもあればいいのになと思いつつ)で遊ばせている間に周囲の調査にかかります。

吊橋
滝をよく見るには公園から少し下流側に移動する必要がありまして、特に川に架かる歩行者用の吊橋は絶好の鑑賞スポット。公園からのルートは新しく整備された遊歩道と昔からあったであろう遊歩道が混在していますが、吊橋は最初から視界に入っていますのでたどり着くのに迷う人はいないでしょう。
吊橋のたもとでは来訪者がどこから来たのかを調査するアンケートをホワイトボードで募っており、無料の観光パンフレットも置かれておりました。自治体としてもここを潜在力のある観光地として意識しているということでしょう。

この辺りまで来たところで、今回の調査のために久々に引っ張り出してきた虎の子(?)のコンデジにSDカードを挿してくるのを忘れたことが発覚。3H(初めて、変更、久しぶり)のときには特にリスクに注意せよと会社で受けた教育を思い出しつつ、限られた内蔵メモリを最大限活用するためそれまでに撮ったしょうもない写真を消すことに。もちろんスマホは持っておりますが、なんせ画質の低さに定評のある格安スマホなので。

絶景との対面
この吊橋の名前は「鮎壺のかけ橋」、長泉と沼津を結ぶ橋ということだそうです。この吊橋から見る滝と富士山のコラボショットは素晴らしかったはず…!と思いつつ、道すがらうすうす、いやハッキリと気付いてはおりましたが、この快晴の中で富士山にだけピンポイントで雲がかかっているという厳しい現実を突きつけられることになります。

ちょっと待てば消えるんじゃない!?と思うでしょうか。いやいや、気象学的な背景はわかりませんが、午後の富士山にひとたび雲が掛かるとなかなか取れないことを私は経験的に知っているのです。美しい富士山と滝とのベストショットは皆様の想像力にお任せするとして、さしあたり参考までにこんな感じという写真のみ掲載させていただきます。
富士山はさておき、今回の主役は滝です。どうでしょう、この威風堂々たる滝の御姿。ごつごつした溶岩の複雑な造形もさることながら、上に生えているもっさりとした木々もなかなかに味わい深い。なんとなくジブリ的な…そう、空飛ぶ城が滅びの呪文を受けて天に上っていく姿と重なる部分がありはしないでしょうか。(私だけ?)

吊橋を渡りきった沼津市側も公園になっていますが、こちらは遊具もなくひっそりしています。一方で、こちら側は黄瀬川の河原に下りられるようになっており、何組かのご家族が川遊びを楽しんでおられました。

相当の命知らずでも滝の上流で水遊びなどはできないでしょうし、現実として容易に立ち入れないように柵なども厳重に張り巡らされていましたが、下流側であれば比較的安全に水遊びできますね。冬には少々寒いですが、夏には涼しく遊ぶのにもってこいの場所かと思います。

まとめ
ということで鮎壺の滝とその周辺の調査でした。有名な浄蓮の滝のように観光地化はされていませんが、マンションに囲まれた住宅街のど真ん中なのであまりメジャーになりすぎてもよろしくないのでしょう。
とはいえ、ご近所さんだけでなく、少し遠方の皆様も足を伸ばしてちょっとした非日常を味わうには程よいスポットなのではないでしょうか。
鮎壺の滝
〒411-0943 静岡県駿東郡長泉町下土狩
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