修善寺の椎茸
静岡県伊豆市は椎茸発祥の地と云われ、古くから良質な原木栽培椎茸の名産地です。
「石渡清助(いしわたせいすけ)」が江戸時代に椎茸栽培を日本で初めて成功させ技術を広め、伊豆市は全国的に有名な産地となりました。
今も肉厚で濃厚な風味の椎茸を「清助どんこ」と銘しブランド化されています。
私の住む伊豆市修善寺の桂谷地区も生産が盛んで、出荷はしていなくても自家消費や贈答用に原木栽培している家が多いです。
私の家も祖父母が原木栽培の椎茸農家で、幼い頃にはよく椎茸獲りに山に連れられていました。
私は大人が採った椎茸がいっぱいのカゴをトラックまで運ぶ運搬係。
合間にめいっぱい山遊びをして秘密基地を作ったりうさぎに遭遇したり、帰りには沢山の椎茸カゴと一緒にトラックの後ろに乗って。
これがまた映画「となりのトトロ」冒頭の引越しトラックのサツキちゃんやメイちゃん気分で嬉しかったなぁ~。
家に戻れば選別やパック詰め。
乾燥機から出された干し椎茸の香ばしい匂いと箱に詰められていくカラカラという音が今でも記憶と共に思い出されます。
そして、駒打ち。
ほだ木やぼた木と呼ばれる1m程の原木にドリルで穴を開け、椎茸菌の詰まったコルクのような種駒を押し込みます。
種駒から椎茸菌が木に回り椎茸が生えてくるようになるのです。
駒打ちシーズンの1月には山の至る所でドリルのチューン、チューンという音とトンカチを打つコンコンコンという小気味よい音が響いています。
原木椎茸ヒストリー
原木椎茸の栽培は時間と労力が掛かります。
しいたけソースがけ『伊豆産しいたけバーガー』 – MATOMETO | 伊豆の”まとめと”アレコレをお届けする、 地域住民発のWEBマガジン
原木栽培とは、クヌギやナラなどの木に椎茸菌を植え付ける方法のことです。
原木栽培は天候など自然条件に左右されやすく栽培が難しい反面、椎茸本来の香りが強く、肉厚で歯応えのある椎茸が採れると言われています。
贈った方々に
「今まで食べていた椎茸と違う!」
「BBQやった友人皆がびっくりしている」
「味が濃くて噛むほど美味い」
「もうスーパーの普通の椎茸では物足りなくなった。責任とってくれ!」と言われるほど。
大変な作業を繰り返し長い期間を経て出来上がる原木椎茸はとても美味しいですよ〜!
実は駒打ちした原木を1年以上は寝かさないと椎茸菌が回らないんです。
その原木を上下天地返ししたり夏場には水をかけて回ったり・・・手をかけて大事に育てています。
椎茸農家だった祖父直伝の必殺栽培術は、なんと原木を棒でコツコツ叩いて回ること!
ちょっとした刺激が椎茸菌を目覚めさせ、ニョキニョキ生えてくるのだと言っていました。
雷が落ちた原木からはびっしりと椎茸が生えたなんて話も!
地域おこし協力隊で椎茸栽培隊員募集中
静岡県内では主に伊豆地域を中心に椎茸の原木栽培が行われていますが、輸入物や菌床栽培の椎茸との競合や生産の大変さなどにより従事者の減少・高齢化・後継者不足となっています。
そんな中、現在伊豆市では地域おこし協力隊員で原木椎茸農家研修者を募集しています。
伊豆市の伝統の椎茸、たくさんアピールしてもらいたいと期待しています。
※選考中などは一時募集を停止している場合があります。
現在の地域おこし協力隊募集情報や移住支援情報は下記サイトでチェックしてみてください!
いずぐらし|伊豆市の移住・定住応援サイト (city.izu.shizuoka.jp)
修善寺駅前に店舗あります!
過去にも同じ地域おこし協力隊で原木椎茸栽培のノウハウを身に着けて、椎茸農家として独立した方もいらっしゃいます!
地域住民として椎茸農家の人間として、とても嬉しい限りです。
新たに就任された方〜または椎茸農家やってみたい方〜ご連絡いただけたら、桂谷のおっちゃんおばちゃんらにアレコレ話つけて協力・仲介いたします。応援させてください!
椎茸メニュー制覇しよう!
食べて応援して欲しい伊豆の椎茸、道の駅や農の駅では生産者直販で買えます!
修善寺を含む中伊豆エリアには椎茸蕎麦や椎茸の天ぷらが味わえるお蕎麦屋さんがたくさん!
(その場ですっていれる伊豆の本わさび付きの蕎麦のお店もあります。オススメ!)
椎茸バーガーも意外じゃなく美味い!
椎茸マドレーヌ今度挑戦してみたい!
椎茸狩りをしてバーベキューで食べられたり椎茸ヒストリーを学べる施設もあります。
そして、干し椎茸ならココ!「米屋椎茸店(こめや しいたけ店)」
椎茸専門店なのに米屋??米屋は屋号なのだそうです。
修善寺の温泉街にあり雰囲気のある佇まいが素敵な米屋さんは昭和25年開業の老舗。
ショーケースや棚に並ぶ袋詰めや箱詰めの様々な干し椎茸は圧巻。
店の奥に積まれている「こめや」の名と紋入りの歴史を感じる茶箱は、防湿・防虫のため内側が鉄張りとなっており実際に使われていた物です。
袋詰め箱詰め各種の干し椎茸を気軽に相談してお買い求めください。
たとえば….
厚みがあり丸く傘の縁が強い巻き込まれている干し椎茸は「冬菇(どんこ)」
その中でも寒さと乾燥でひび割れが入ったのが「天白冬菇(てんぱくどんこ)」や「茶花冬菇(ちゃばなどんこ)」ひび割れが白くて美しい天白冬菇は冬菇の中でも最高峰。
傘が開いて薄いものは「香菇(こうこ)」や「香信(こうしん)」厚みがないので切りやすく香りが出やすい、そしてお手頃価格です。
お土産にはもちろん、干し椎茸の出汁で作るご褒美料理にご自宅にもぜひ!
用途に合わせてお店の方に見繕ってもらってみてはいかがでしょうか?
実は私の同級生の実家のお店です(笑)
女将さんのお人柄もほのぼのとしていて、こういうお店が温泉街に残っていることをとても嬉しく思っています。
最後に実は….
スーパーで買った生椎茸でも原木菌床問わず少し天日干しをしてみて下さい。
水分が抜けることで旨味が凝縮しビタミンD2も大幅に増えます。
と、ここまでずいぶん椎茸推しをしましたが、小さい頃は規格外の椎茸が食卓にあがり過ぎ食べさせられ過ぎて好きではなかった私です。
だって、カレーにまで入っていたから!
大人になった今では椎茸出汁の味噌汁を飲んでは「あぁ〜〜〜。(しみじみ…ホッコリ…)」としています(笑)